恐いもの知らずのチャレンジャーが、
様々なことに挑戦するこの企画。
いろいろな経験を通して、チャレンジャーが
大きくなっていく様子を見守ってください。
第44回目は『茶壺道中と四頭茶会』に挑戦!
 ホームページの料理レシピコーナー「らくらくクッキング」でお世話になっている「徳永睦子先生」より、「今度、イベントがあるから、ぜひいらっしゃって!」とお誘いを受けたチャレンジャーE(初登場)M(おなじみ)
 「どんなイベントですか?」とお聞きしたところ、「お茶で九州をひとつに結ぶ、お茶文化イベント」が開催されるとのことです。
 徳永先生は、平成24年に設立された「一般社団法人 お茶結びプロジェクト」の理事長もされており、お茶を通して食の大切さを伝える活動に尽力されています。
うれしの茶産地のみなさんと。
チャレンジャーEM
 
 今回、私たちが参加するイベントは、
 栄西禅師八百年遠諱
 第4回「ティーロード茶壺道中」と「聖福寺四頭茶会・献上茶壺式典」
です。
 
 臨済宗の開祖である栄西禅師(ようさいぜんじ )は、日本に茶文化を広めた方で、茶祖とも呼ばれています。
 その栄西禅師が開山した聖福寺(しょうふくじ)で、「四頭(よつがしら)茶会席」、「煎茶席」、「薄茶席」の3茶席が体験できます。
 また、博多駅から聖福寺まで各地の新茶を運ぶ「茶壺道中」、そして、それを奉納する「献上茶壺式典」が行われます。
 
 そんな立派なイベントに「私たちのような無作法者が参加してもよいのでしょうか?」と心配していたら、「お茶をたしなまれて、お着物でいらっしゃる方も多いけど、そうでない方もいらっしゃるから」ということでしたので、少し安心。このコーナー「レッツ・チャレンジ」の取材も兼ねて、参加することになりました。
 
 2014年10月12日(日)、聖福寺を訪れました。総門を抜け、受付でチケットをもらいます。
【スケジュール】
10時 煎茶席
11時 薄茶席
12時 四頭茶会席
13時 点心席(食事)
 本堂に移動し、最初の茶席「煎茶席」(瑞祥会)が始まるのを、みなさんと一緒に待ちます。まわりの皆さんはお着物を召して、華やいだ雰囲気。このイベントを楽しみにされているのが伝わってきます。
 会場の準備が整い、中に案内されました。「お茶会=正座するもの」と思い込んでおり、今日は足の痺れとの長い戦いになる!と悲壮な覚悟を決めて中に入ったのですが、机と椅子が用意されていました。
 
 まず、最初のお茶は福岡県「八女の玉露」です。香りがよく、口に含むとトロッとしていて、甘味とほどよい渋みがふわっと広がります。「おいしい」とため息のような一言が出ました。これまで少し緊張していましたが、お茶でほぐれてきました。
 お菓子は「里の秋」。写真は半分に割ったものです。外側は紅葉色で里の秋を感じさせ、中はお茶のイベントらしく、抹茶の餡が入っています。
 左から鹿児島県南九州の知覧茶(煎茶)、長崎県東彼杵の玉緑茶、栄西茶。全部で4種類のお茶を味わい、色、香り、味の違いを楽しみます。
 
 机の上にあったツバキの置物。
 なんだろうなと思っていたら、お茶の樹はツバキ科の植物だから、それにちなんだとのこと。勉強になります。
 
 お茶席の後は、道具をみせてもらったり、「飲んだ後のお茶はポン酢でいただくとおいしい」などのお話をうかがったりしました。ひとつお茶席を終え、ようやく楽しむ余裕がでてきました。
 次の茶席は「薄茶席」(裏千家福岡支部)です。
 お点前をされる方の真後ろに座ったので、よく見ることができなかったのが残念でしたが、背中を見るだけでも所作の美しさが伝わってきました。
 正客の方が床の間に飾られている軸や花、お茶の道具について尋ねたり、感想を仰ったり、文化度の高い会話が交わされます。
 チャレンジャーMは高校時代は茶道部に在籍し、お点前の練習もしていました。卒業して17年、まったく接する機会がなく、すっかり忘れてしまいました。そして、事件は起こります。「お茶会なのに懐紙を忘れる事件」です。お茶菓子が運ばれてきたときに、「懐紙をもってきてない!」ということに気付きました。オタオタしているチャレンジャーMEに気付いた隣の方が、「どうぞお使いください」とそっと差し出してくださいました。ちゃんと予習してくれば良かった・・・と後悔しましたが、すぐ立ち直り、その後は周りの方の様子を観察し、同じように振る舞うことにしました。お茶はおいしく、最後のひと口までズズッと吸い切りました。
 3つ目は、「四頭茶会席」です。仏殿に移動します。
 台風19号が接近中で風が強く、雨は降っていませんが、空はどんよりとしています。
 聖福寺は建久6年(1195年)に創建された日本で最初の禅寺です。
聖福寺仏殿
 パンフレットには「茶道の原型とされる古式にのっとった禅宗式の茶会」とありましたが、一体どのようなものなのでしょうか?
 1回の茶席で定員は36名。9人ずつ4つのグループに分かれて席に着きます。白丸(○)が正客です。4名を先頭に8人が従う形です。
 袴姿の男性4人がきびきびした動作でそれぞれの机にお菓子と抹茶入りの茶碗を運びます。
お茶結びプロジェクトチラシより転載
 お菓子をいただこうとしたその時、再び事件が起こりました。チャレンジャーEによる「せっかくいただいた懐紙をまた忘れる事件」です。オタオタしているチャレンジャーEにそっと懐紙を差し出すチャレンジャーMでした。
  
 そうこうしているうちに、先ほどの男性4人が口に茶筅(ちゃせん)を指した浄瓶を持って入室します。頭から順番に茶碗にお湯を注ぎ、シャカシャカとお茶を点てていきます。その間、お客は左手で台を持ち上げ、右手で茶碗を支えます。
 四頭茶席は独特の緊張感があり、仏様に見守られながら、茶を喫するというのは大変珍しい体験でした。
 3つの茶席が終わり、13時になりました。最後は「点心席」です。柚子庵のお弁当をいただきます。
 食材も調理法も豊富で、味付けも上品。大変美味でした。
 茶会を終え、お腹タプタプのチャレンジャーEM。次は「茶壺道中」に参加するため、博多駅へ戻ります。博多駅から聖福寺まで茶壺をかついでパレードする方たちに、同行させてもらう予定です。
 博多駅前では各産地のお茶のPRが行われています。

 茶壺も準備中。
頭が急須の形をしている「やめ茶丸」 「ゆめことゆめきち」(吉野ヶ里) 「ゆっつらくん」。背中には「うれしの茶」の羽が生えています。
 ゆるきゃらたちと戯れたり、お茶娘に記念撮影をお願いしたりしながら「茶壺道中(パレード)」の開始を待っていましたが、台風による雨風のため、中止になってしましいました。
 パレードはなくなりましたが、献上茶壺式典は開催されるとのことなので、再び聖福寺に移動します。
 四頭茶会席が行われた仏殿に茶壺が奉納される儀式まで見届け、チャレンジは終了となりました。
献上前の茶壺 献上後の茶壺
 その後の行事は台風のために中止となってしまい、献上された茶壺の封を切る「口切りの儀」は残念ながら見ることができませんでした。
「口切りの儀」が行われる予定だった無染池の特設会場
 今回のチャレンジでは普段できない貴重な体験をすることができました。ゆっくりお茶を飲んで、ホッとする時間の大切さを感じました。どうもありがとうございました。お茶会には懐紙と楊枝は必ず持っていきます!