その2 納豆のヒミツ
具材のヒミツ 第2回目の今回は、「カラダにいい!」と言われつづけている納豆が、同じく大豆からできている発酵食品である味噌と一緒になった時、一体どのような力を発揮するのかという疑問に対する研究の成果です。
味噌汁には少々ウルサイ研究員ですが、全員、納豆入りの味噌汁は食べたことがなかったので、このテーマに取り組むにあたって実際に納豆入り味噌汁を作り、試食してみました。
この研究によって、「納豆嫌いは納豆入り味噌汁によって克服できるか?」という命題の結論も得ることができました。
ここで改めて『納豆』とは・・・
納豆【なっとう】よく煮た白大豆を藁づとなどに入れて適温中に置き、納豆菌を繁殖させて作った食品。粘り気が強いので糸引き納豆と呼ばれ、今日普通に納豆というのは、この種のものを指す。
納豆汁【なっとうじる】納豆をきざんで実とした味噌汁。
 広辞苑より
 弊社 本社のある九州ではあまり馴染みのない「納豆汁」ですが、山形の山村で冬場によく作られるそうです。
納豆はなぜカラダにいいのか。
「畑のお肉」とも呼ばれる大豆には、良質のたんぱく質が含まれ、いろいろな栄養素がバランスよく含まれています。たんぱく質は種々のアミノ酸で組織されていますが、そのアミノ酸には体内で合成できる「非必須アミノ酸」と、体内では合成できないので食物から取り入れなければならない「必須アミノ酸」があります。大豆たんぱく質は、この「必須アミノ酸」に富んでいることから良質のたんぱく質であると言われています。
必須アミノ酸とは・・・
バリン、ロイシン、イソロイシン、スレオニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、リジン、ヒスチジンの9種
納豆の中で一番特徴的な成分は「ナットウキナーゼ」という酵素です。その最大の効果は血栓溶解作用で、納豆1パック分の作用を薬で求めるとすると、16〜20万円もするということです。その他、以下のような効果があります。
(1) レシチンが悪玉コレステロールを除去し、肌をみずみずしくする。
(2) レシチンが頭脳の働きを活発にする。
(3) 植物性たんぱく質やビタミンK2が作用し、カルシウムが骨を丈夫にする。
(4) 納豆菌により病気を予防する。
(5) ビタミンB2が体調を整え、肝臓の機能を活発にし、疲労回復にも効果がある。
(6) カリウムが余分な塩分を排泄し、血圧を正常に保つ。
(7) 食物繊維に有害物質が吸い付き排泄されることで、発がんを抑える。
注意 納豆を加熱するとナットウキナーゼの効能が失われてしまうので、加熱する場合は調理温度を下げるか、調理時間を短くすることが大切です。
 納豆汁の作り方  
● 材料(4人分) ●

納豆(ひきわり)・・・1パック
油揚げ・・・1枚
大根・・・80g
しめじ・・・1/2パック
だし・・・8g
味噌・・・大さじ3 1/2〜4
ねぎ・・・少々
● 作り方 ● 
(1) 油揚げは油抜きし、短冊に切る。大根は短冊切り、しめじは小房に分ける。
(2) なべにだし、大根を入れて火にかけ、やわらかくなるまで煮、しめじ、油揚げを加えてさらに煮る。味噌を溶きいれ、納豆を加えて器に盛る。ねぎを散らす。
 食べた感想 
前田
納豆は好きですか? 「嫌いではありませんが、好んで食べなくてもいいです。」
 思ったより納豆の臭いが少なく、食べやすかったです。普通に食べるよりも食べやすいので、毎日でもOKです。健康のため納豆を食べるようにしていますが、毎日食べると飽きてしまうので、味噌汁に入れるという新しい食べ方を発見できて良かったです。
有薗
納豆は好きですか? 「好きです。」
 味噌汁の味も香りも良かった。納豆の臭いが少ししましたが、食べてみたらけっこういけると思いました。家でも食べてみたいと思います。
印丸
納豆は好きですか? 「好きです。」
 味噌汁自体の味が薄いような気がしました。納豆は好きなので、もっとネバネバしていても良かったと思います。
岡本
納豆は好きですか? 「好きです。」
 納豆が嫌いな人にはきついかな、というくらいの臭いがしましたが、臭いのわりにはあっさりしていて、納豆の味はあまりしませんでした。家で作ってもらおうと思いました。
堀内
納豆は好きですか? 「嫌いです。過去2回挑戦しましたが、克服できず。今回が3度目の挑戦です」
 最初は、目がウルウルするほど臭いが嫌だったけれど、慣れたら大丈夫でした。ねぎのさわやかな香りが、納豆の臭みを消してくれました。ネバつきも苦手だったので、今回の少しトロッとした感じが私にはちょうど良かったです。 
結論:嫌いな納豆も味噌汁に入れたらOK
廣渡
納豆は好きですか? 「好きです。納豆卵ご飯が主食です。」
 ひきわり納豆というものを初めて食べました。色が白いんですね。新発見でした。味噌汁に入れるとネバネバがなくなって、普通の大豆を味噌汁の具にしたような感じがしました。
宮島
納豆は好きですか? 「大好きです。」
 おいしいです。具の相性としては、納豆と大根があっていると思います。納豆がもっと糸をひくかと思っていましたが、さらっとしていて食べやすかったです。「糸引き」が嫌いで納豆に抵抗がある人には、こういう味噌汁はお薦めだと思います。
 なお、醤油・味噌・酒など醸造工場では、工場内に納豆菌が入ることを警戒します。発酵微生物の生育を妨害して、危険だからです。工場従業員にはそのことを教育しています。従業員食堂でのお昼の味噌汁に納豆を使うのは難しいでしょう。
味噌汁研究所名誉所員 前川さんにも試食してもらいました。実は、納豆が嫌いな前川さん。「納豆だぁー( > _ < )と思いつつ食べたけれど、意外と食べやすかったです。」というコメントをいただきました。でも、やっぱり納豆嫌いな人には臭いがきつかったようです。
 今月の研究結果
 カラダにいいと分かっていながらも、そのネバネバや臭いのせいで嫌われてしまいがちな納豆。今回の実験により、「納豆は味噌汁に入れることで食べやすくなる」という結論が導き出されました。納豆嫌いの方も、この機会に「納豆汁」で食わず嫌いを克服してみてはいかがでしょうか?
 大豆発酵食品同士の納豆と味噌。この夢のコラボレーションで、必須アミノ酸の不足を補いたいものです。この記事をお読みになった納豆嫌いの方からのご意見・ご感想をお待ちしております。もちろん、納豆大好き・味噌汁大好きな方からのお便りも随時受付中です。   ←こちらからどうぞ。
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