匠にちょっと聞いてみよう
毎日使っているものだけど、知っているようでよく知らない味噌・醤油のこと。あなたの疑問に匠がお答えします!!
匠 松本 義広(まつもと よしひろ)
◆製造課第二係◆
味噌を作り続けて40年。味噌に対する愛情は誰にも負けません。我が子の成長を見守るような温かい眼差しで熟成の様子を見つめます。
 
質問1 「丸大豆」とは、どういう大豆のことですか?
質問2 本醸造というのは、どういった作り方ですか?
質問3 醤油はなぜ黒いのですか?
質問4 「淡口醤油」と「薄口醤油」、どちらが正しい表記なのでしょうか?
質問5 プリンに醤油をかけるとウニの味になる、といったような面白い醤油の使い方を教えてください。
質問6 醤油のカビは食べられるというのは本当ですか?
質問7 遺伝子組換大豆を食べると、体にどんな影響があるのですか?
質問8 醤油を「むらさき」というのはなぜですか?
質問9 「ぽん酢醤油」の「ぽん酢」とはどういう意味ですか?
質問10 醤油には栄養がありますか?
質問11 しょうゆの記念日はありますか?
質問12 味噌汁が爆発するというのは本当ですか?
質問13 味噌汁1杯分の塩分はどれくらいですか?1日に朝・昼・晩と飲んで塩分のとりすぎになることはありませんか?
質問14 「二日酔いにはしじみの味噌汁がいい」と聞きますが、なにか根拠があるのですか?
質問15 醤油は凍りますか?また、沸騰しますか?
質問16 醤油には「油」という文字が入っていますが、油分があるのでしょうか?
質問17 味噌には粒があるのと粒がないものがありますが、それは原料の違いですか?
質問18 しょうゆマヨネーズ味のスナック菓子などに使われている「醤油粉末」はどうやって作るのですか?
質問19 使いかけの味噌はどうやって保存したらいいですか?また、保存期間は?
質問20
ソルトレス醤油はできますか?
 (シュガーレスに対抗し、減塩よりもっと塩分を減らした醤油を作ってほしい)
質問21 酸っぱさに単位はありますか?
質問22 世界で一番酸っぱいものはなんですか?
質問23 淡口醤油の塩分濃度は濃口醤油の何倍くらいですか?
質問24 日本人が一番好きな味噌汁の具材は何ですか?
質問25 『三杯酢』って、どんな酢のことですか?
質問26 『さしみ醤油』は普通の醤油とどう違うのですか?なぜ価格が高いのですか?
質問27 『麺つゆ』のラベルに、「開栓後はお早めにお召し上がりください」とありますが、毎日 素麺では飽きてしまいます。何かいい方法はありませんか?
質問28 衣類に付いた醤油のシミを落とす方法を教えてください。
質問29 今さらですが・・・料理の基本「さしすせそ」を教えてください。
質問30 『八方だし』ってどんなだしですか?名前の由来は?
質問31 洋食のかくし味として醤油を利用すると、どうしても風味を生かすことが出来ず、反対にとげとげしくなってしまいます。なにかポイントはありますか?
質問32 誰でも簡単に美味しく作れるお味噌汁の作り方があれば教えてください。特に味噌汁の濃さはどのくらいがよいのですか?
 
質問1 「丸大豆」とは、どういう大豆のことですか?
匠の答え 「丸大豆」とは、丸のままの大豆という意味です。
昔は、醤油作りに丸大豆を用いることが普通でしたが、今では工程上の手間が少ない「脱脂加工大豆」を使うのが主流になっています。「脱脂加工大豆」とは、醤油の製造上あまり必要のない大豆の油分をあらかじめ取り除いたものです。うまみを左右する窒素成分(アミノ酸量)は、丸大豆とほぼ変わりません。ただし、丸大豆には大豆に含まれるレシチンやイソフラボンなどの有効成分がより多く残っているため、近年人気が高まっているようです。丸大豆を用いた醤油は大豆の油脂成分が醸造中にグリセリンなどに分解され「まろやかさ」、「深いうまみ」が特徴の醤油です。脱脂加工大豆を用いた醤油は「香りの立つキレのある風味」、「強いうまみ」の醤油になります。
丸大豆醤油の製造工程においては、発酵の終了後に油分を取り除きます。しかし、こうして取り出された油分には醤油の色や香りがついているので、この後の利用が容易でありません。植物資源の効率的利用という点では、醤油作りに入る前に大豆から油脂を大豆油として取り出して活用する普通の醤油の方が、今のところ優れていると言えます。
 
質問2 本醸造というのは、どういった作り方ですか?
匠の答え 蒸した大豆(又は脱脂加工大豆)に、炒って引き割った小麦を混ぜ、それに種こうじを加えて醤油麹を作り、これに食塩水を加えてもろみを作ります。ときどき撹拌しながら発酵熟成させ、それを搾った液が生揚げ(きあげ)醤油と呼ばれるものです。さらに、上に浮かんだ油と底に沈殿した混濁物を取り除いて加熱(火入れと呼ばれます)をします。加熱によって殺菌だけでなく、色・味・香りを調えます。製造期間は6〜8ヶ月間です。最近では、火入れ殺菌せず、微細なフィルターで菌を除去する方式を採用するところもあります。
 
質問3 醤油はなぜ黒いのですか?
匠の答え 醤油は、大豆・小麦・食塩の三大原料と麹菌で作られます。この麹菌が酵素を作り出し、酵素は大豆のたんぱく質をアミノ酸に、小麦のでんぷんをぶどう糖に変化させます。そして、醤油が熟成する間に、アミノ酸とぶどう糖が反応してできる褐色色素のメラノイジンにより着色します。この美しい色を称して醤油は「むらさき」という別名で呼ばれています。
 
質問4 「淡口醤油」と「薄口醤油」、どちらが正しい表記なのでしょうか?
匠の答え 「うすくち醤油」というのは、「濃口(こいくち)醤油よりも色が淡い醤油という意味なので、正しい表記は「淡口醤油」です。原料や製法は「濃口醤油」とほとんど同じですが、「濃口醤油」と比較して高濃度の食塩水を加えることで発酵を抑え、色が濃くなるのを防いでいます。ですから、「淡口醤油」は「濃口醤油」よりも塩分が1〜2%高くなっています。
 
質問5 プリンに醤油をかけるとウニの味になる、といったような面白い醤油の使い方を教えてください。
匠の答え 1. 手作りマヨネーズに醤油を一滴落とすと、卵の生臭みが消えておいしくなります。
2. アイスクリームに醤油を一滴落とすと、甘みが増し、後味がさっぱりして食べやすくなります。
3. カレーの仕上げに醤油を一滴いれると、味に深みが出ます。
4. バターライスに少量の醤油を加えると、風味がでておいしくなります。
5. 梅干にわずかに醤油をかけると、梅の酸味が穏やかに感じられるようになります。
6. だし汁の味をみる時は、皿に取っただし汁に醤油を少々落として口に含むと、だし汁の風味がよくわかります。
7. あんの仕上げには、塩より醤油を少し加えると、小豆臭さが消え、味を引き締めます。
 
質問6 醤油のカビは食べられるというのは本当ですか?
匠の答え 家庭等において開栓後の醤油に生育する微生物は「酵母」と呼ばれるものです。醤油の醸造中にも発生する酵母の一種で、醤油の表面に白い膜を張るために、カビが生じたようになることがまれにあります。食べても健康には害がありませんので、コーヒーフィルターやペーパータオルなどで漉して使うことができます。ただし、風味は落ちていますので、煮物や炒め物などで早めに使ってください。
 
質問7 遺伝子組換大豆を食べると、体にどんな影響があるのですか?
匠の答え 遺伝子組換えとは、ある生物から目的とする有用な遺伝子を取り出し、それを別の生物に導入することにより、新しい性質を付与する技術です。
醤油・味噌に使用する大豆には、「有機大豆」と呼ばれる、農薬を使わずに育てられた大豆もありますが、多くの場合、大豆栽培では、雑草を退治するために除草剤が使われます。しかし、強い除草剤を使用すれば大豆も枯れてしまいます。そこで、除草剤の影響を受けない大豆を作れば、農家の労力、コストが低減でき、経営面でプラスになるのです。除草剤に強い遺伝子組換え大豆(GM大豆)はこうして1990年代に米国で開発されました。
遺伝子組換えにあたっては、性質の明らかな遺伝子(この場合、除草剤耐性をもたらす遺伝子)のみを大豆に組み込むので、予想もしない特性をもった大豆が出現する可能性は低いのです。その意味で、従来行われてきた、交配による品種改良より効率がよいと言えます。。
このGM大豆について、これまでにあらゆる研究・検査をつうじて、動物への悪影響は見いだされておらず、安全な農作物であると考えられています。日本政府も独自の安全基準に照らしてGM大豆の輸入を許可しています。
しかし、米国におけるGM大豆の普及は劇的です。特定の新しい農作物をこのように急激に普及させることが、長い目で見たときに生態系にどのような影響をもたらすのか、私たちは慎重に観察する必要があります。科学の進歩は必要ですが、健全なブレーキも必要です。
こうした考えから、宮島醤油では、「本醸造醤油と味噌の原料大豆には、遺伝子組換え大豆(GM大豆)を一切使用しない」という立場をとっています。私たちはGM大豆が人体に有害だとは決して考えていません。しかし、GM大豆の急激な普及に対しては適切な歯止めが必要だと考えており、そのために当面はGM大豆の使用を控えています。また、商品の特性に応じて、「3年以上農薬を使っていない畑で栽培された有機丸大豆」、「国産大豆」など、原料大豆の品質を厳選する方針をとってお客様のご要望にお応えしています。
 
質問8 醤油を「むらさき」というのはなぜですか?
匠の答え 醤油の歴史をたどると、室町時代末期に醤油らしきものが生まれ、安土・桃山時代に醤油が工業製品として出回るようになりました。明確に醤油という言葉が出るのは江戸時代 四代将軍の頃で、井原西鶴の「日本永代蔵」には大津の醤油屋喜兵次が登場し、近松門左衛門の「曽根崎心中」の主人公は徳兵衛は醤油屋の手代です。八代将軍吉宗の頃、本格的な飲食店や料理屋が多数でき、上客に出す料理の調味料として醤油が使われました。当時、醤油はとても高価なもので、米の3倍、酒と同額、塩の7〜8倍であったようです。
一方、紫の色は、西欧においては紀元前1500年頃、巻貝の一種であるムラサキ貝の分泌物で染めて日に晒すと鮮やかな赤紫が発色した。分泌液は1gを得るのに一万個の貝が必要で、この色は富や権力や地位の象徴になりました。やがてこれが中国に伝わり、日本に渡来しました。推古天皇(603年)の冠位十二階の最高位徳の位に紫があり、大徳が濃紫、小徳が薄紫で、この紫染めが京都の公家文化の中で継承されていきました。京都の紫を京紫と呼び、江戸の新しい紫を江戸紫と呼び、江戸の服装文化の中で最高の地位になりました。
醤油が食文化の中で貴重で、最高に贅沢な調味料の位置にあったこと。紫染が服装文化の中で最高の位置にありこれも贅沢な至上品であり、そして醤油の色が暗紫色で似ていることもあいまって、当時の花柳界で塩のことを「波の華」といったように、醤油のことを「むらさき」というようになったようです。
 
質問19 「ぽん酢醤油」の「ぽん酢」とはどういう意味ですか?
匠の答え  「ぽん酢」はオランダ語のPONS(ポンス)が訛ったもので、一般的には橙(ダイダイ)をしぼったものを指します。この他、ユズやスダチ、カボスなどのように甘味がほとんどなく、酸味が強く、しかも香気の優れた柑橘類の果実からしぼられます。「ぽん酢醤油」とは、これらのぽん酢に醤油を合わせ、さらにうま味調味料や糖類を配合したもののことです。
 
問10 醤油には栄養がありますか?
匠の答え  醤油には栄養があるか?ということは、一般的にはあまり追求されていません。それは、醤油自体が単独の食品ではなく、いろいろな食品の味を引き立てる調味料だからかもしれません。食品として醤油を食したとして、その栄養価を算出してみます。
 醤油の主な原料である大豆と小麦を食べたとします。その成分のたんぱく質、炭水化物、脂肪のそれぞれは、体内で最終的にアミノ酸、糖分、グリセリンに消化・分解されて吸収されます。しかし、その消化・吸収の割合は65%程度で、残りは排泄物となります。一方、大豆と小麦を加工した醤油は、各種の微生物(麹菌)の働きにより発酵・分解が起こっているので、その分解度合いが80〜90%に達しています。したがって、大豆や小麦をそのまま食べるよりも醤油として摂取したほうが、消化の必要が少ないため効率よく体内に吸収することができます。
 もっとも多く利用されている濃口醤油を例にとると、100mlあたり、エネルギーは71kcal、たんぱく質は9.1g、炭水化物(糖質)は11.9gほどで、その他、リン、カルシウム、鉄、ナトリウム、カリウムなどの無機質が含まれています。また、醤油の中には20種類以上のアミノ酸、しかも必須アミノ酸といわれるもののほとんどが含まれています。
 
質問11 しょうゆの記念日はありますか?
匠の答え  10月1日が『しょうゆの日』と制定されています。それには以下のような理由があります。
 昔の日本において、10月は収穫した大豆などの農作物を貯蔵、加工する季節でした。農耕民族である日本人は、昔から季節に合わせて生活をしていたのです。春に種を蒔き、夏の終わりから秋にかけて農作物の収穫をして貯蔵・加工を行い厳しい冬に備えてきました。醤油作りも、昔はその秋口に収穫した新鮮な大豆を原料として仕込んでいたといわれています。
 また干支をあてはめてみると、10月は10番目の「酉(とり)」の月にあたります。この「酉」という文字は「醤」にも「酒」にも用いられています。10月は醸造と極めて関係の深い月と言えるでしょう。
 醤油の業界では、日本の伝統的な万能調味料「しょうゆ」の価値をより深く理解していただくために、「しょうゆPR事業」が平成13年10月1日に立ち上げられ、これを機に、10月1日を「しょうゆの日」とすることにしました。「しょうゆの日」には、多くの方にしょうゆの魅力を知っていただくため、「しょうゆ名匠」の発表、「しょうゆの思い出」エッセイ優秀作品表彰、「しょうゆ文化賞」の制定など、さまざまなイベントや企画が行われています。
 
質問12 味噌汁が“爆発する”という話を聞いたことがありますが、本当ですか?どうやったらそれを防ぐことができますか?
匠の答え  1998年大阪で、「味噌汁を温めなおしたところ、突然、大きな音とともに鍋が飛び上がりひっくり返った。」という事故がありました。幸い怪我はなかったようですが、非常に危険な状態でした。
 また、近年、東京都のマンションでも同様の事故が発生しています。部屋が燃えた様子はなく不審に思い、その原因を調査したところ、味噌汁を温めなおしていたことが爆発の原因であるとつきとめられました。電磁調理器でステンレス製の鍋に蓋をして最大出力で味噌汁を加熱中、味噌汁のことを忘れて外出、その2時間後に爆発が起こったようです。
 大阪府立消費生活センターで、事故事例内容に基づきステンレス三重鍋(ステンレス・鍋・ステンレス)と味噌、ハイカロリーコンロを用いて再現テストが行われました。鍋8分目の量の味噌汁を作り、いったん火を消して20分後に強火で温め直したところ、点火後十数秒程度で、突然、爆発音とともに鍋が20cm以上飛び上がり、ひっくり返りました。さらに調査した結果、米味噌、だし入り米味噌は正常に煮立ちましたが、だし入り豆味噌については突然沸騰しました。アルミ鍋では全て正常に煮立ち、厚手のステンレス鍋もおおむね正常に煮立ちました。
 これらのことから、味噌汁の爆発は特殊な条件が重なったときに発生することが分かりました。特に、ステンレス三重鍋を使うと熱伝導が小さい(保温性が良い)ため、急速に加熱した場合、たんぱく質が凝固して部分的に高温になり、「突沸(とっぷつ):突然沸きあがること」が発生するようです。
    味噌汁を作るときは、一度火を止めて味噌を入れてください。
 
質問13 味噌汁一杯分の塩分はどれくらいですか?一日に朝・昼・晩と飲んで塩分のとりすぎになることはありませんか?
匠の答え  塩分のとりすぎが高血圧につながることから、塩分の摂取をひかえる人が増えていますが、塩分は、たんぱく質、炭水化物、脂質、ビタミン類などとならんで欠かせない栄養素の一つです。塩が不足すると、食欲不振、倦怠感、吐き気、頭痛、めまい、記憶力減退、集中力欠乏などの症状が出ます。
 味噌汁一杯(150ml)中の食塩含量は、中の具がない場合に1.6〜1.8gとなっています。具を入れた場合には、その分だけ含有量が減るので、実際には、味噌汁一杯の塩分は1.0〜1.2g程度です。したがって、1日に3杯飲んだ場合の食塩摂取量は、3〜4gとなります。食塩の約40%はナトリウムで構成され、そのナトリウムを過剰に摂取すると人によっては高血圧の症状を呈する恐れがあると言われています。
 塩分が気になる方は、味噌汁の具の種類と量を検討することだと思います。海藻類(わかめ類)にはアルギン酸という食物繊維があり、これらを用いると、食後、小腸内でナトリウムと結合し体外に排泄されます。また、カリウム含有量の多い野菜類を具に用いると、味噌汁の中のナトリウムとカリウムの比率が低下して、ナトリウムは急速に排泄されます。
 味噌汁の特徴として、いかなる具ともよく調和するということが挙げられます。健康のためには、植物性たんぱく質と野菜、海藻などをバランスよく取り入れた味噌汁を召し上がってください。一工夫すれば塩分のとりすぎを心配することはありません。
 
質問14 「二日酔いにはしじみの味噌汁がいい」と聞きますが、なにか根拠があるのですか?
匠の答え 味噌には、「コリン」という物質が含まれています。この成分は、肝臓に入ったアルコールが脂肪となって体に蓄積されるのを防ぎます。さらに、具としてしじみを入れると、しじみに含まれる「アラニン」がアルコールを代謝する酵素の働きを高めてくれます。また、「タウリン」などのアミノ酸も、肝臓の解毒作用を助けますので、しじみの味噌汁は二日酔いの朝にいいのです。
 
質問15 醤油は凍りますか?また、沸騰しますか?
匠の答え 醤油の塩分によって、凍る温度は違います。塩水の塩分濃度によって凝固点が変化するのと同じです。
醤油は、マイナス180℃まで冷やしてもシャーベット状になるだけで完全には凍りません。これは、醤油の中に塩分をはじめとしたいろいろな成分が含まれているためです。
また、醤油は加熱すると沸騰します。煮物を作るときブクブクと泡が立ちますが、これは醤油中のエキス分が沸騰に関与しているために起こる現象です。
 
質問16 醤油には「油」という文字が入っていますが、油分があるのでしょうか?
匠の答え JAS上、醤油の使用原材料に油の使用は認められていません。しかし、油分がまったくないというわけではなく、原料として用いる大豆から出る油(脂質)が成分として移行する商品もあります。
醤油の「油」という文字は、“トロリとした液体”を意味しています。ちなみに醤は“ひしお”と読み、飛鳥時代の『大宝律令』には、宮内省内に醤をつくる「醤院(ひしおつかさ)」があったと記されています。当時の醤は、保存用の塩漬け発酵食品の総称で、「肉醤(ししびしお)」「草醤(くさびしお)」「穀醤(こくびしお)」がありました。肉醤は塩辛・魚醤、草醤は漬物、穀醤が醤油・味噌の原形です。
 
質問17 味噌には粒があるものと粒がないものがありますが、それは原料の違いですか?
匠の答え 味噌の製造工程において、チョッパー等を用いてすり加工するか、そのまま製品化するかによって、「すり味噌」と「粒味噌」に大別されます。
「粒味噌」は、粒自体に大豆・麹の風味が保持されています。しかし、粒があると味噌汁を作る際に味噌を漉す手間がかかるので、簡便性から「すり味噌」をお選びいただくこともあります。
 
質問18 しょうゆマヨネーズ味のスナック菓子などに使われている「醤油粉末」はどうやって作るのですか?
匠の答え 醤油を粉末にするには、凍結乾燥法、スプレードライ法などがあります。いずれも、醤油を乾燥させて粉末にします。
凍結乾燥法は、-30〜-40℃で急速冷凍した後、真空度1〜0.01mmHgの減圧下で乾燥させる方法です。加熱をして乾燥させる方法では熱による影響を受け、色が変わる、臭いが悪くなるなどの欠点がありますが、凍結乾燥法はそれらの欠点がなく、風味を損なうことなく粉末に加工できます。
スプレードライ法は、醤油を噴霧して熱風で乾燥させる方法です。霧状の醤油を乾燥させるので、加熱時間が短く、品質の劣化も少ないので、大量の製品を連続的に経済的に作るのに適しています。
 
質問19 使いかけの味噌はどうやって保存したらいいですか?また、保存期間は?
匠の答え 味噌は、未開封の状態で冷蔵庫(8℃)に入れておけば、約半年間は購入時の状態が保てます。
使いかけであっても、冷蔵庫で保存することによって購入時の風味等をほぼ保つことができます。保存は、チルドルームであっても差し支えありません。開封後の味噌を保存する場合、表面を平らにならしラップ等で空気との接触をできるだけ遮断すると、変色等も防ぐことができます。
 
質問20
ソルトレス醤油はできますか?
 (シュガーレスに対抗し、減塩よりもっと塩分を減らした醤油を作ってほしい)
匠の答え 大豆と小麦を使って麹を造り、これに食塩水を加えて発酵させたものが本醸造醤油です。食塩を使わずに発酵させますと、発酵に関与する麹菌や微生物(酵母・乳酸菌等)の制御が難しく、醤油とは程遠い品質になります。
では、食塩(塩化ナトリウム)の代わりに、発酵を制御出来る塩化カリを使って醸造させた無塩醤油は実際市販もされています。塩味、旨味もあり、醤油に似た香味ではありますが、塩化カリ特有のエグ味があり、極端に減塩食を指示されている方に利用されている程度で、一般の需要は少ないようです。
病者用食品「低ナトリウム食品」として普通の醤油の塩分を半分以下に減らした醤油が[減塩醤油]として市販されています。
 
質問21 酸っぱさに単位はありますか?
匠の答え 酸っぱさ(酸味)には、大きく分けて2種類あります。「良質な酸味」と「そうでない酸味」です。
「良質な酸味」は、口の中で消えて後口がさっぱりしています。酸味自体の舌を刺激する感じも柔らかで、心地よい質です。
酸味の主体は、有機酸と呼ばれるものです。代表的なものは、クエン酸・乳酸・酢酸等とその塩類です。
食酢には、JAS(日本農林規格)に酸度の項目があり、食酢に含まれる各種有機酸の酸味成分の割合を、酢酸として算出したもので、単位は%として表現しています。
 
質問22 世界で一番酸っぱいものはなんですか?
匠の答え 味覚は人それぞれに感じ方があり、気候や体調でも左右されます。
一般的んに食される物のなかでは、柑橘系の果物で「レモン」「アセロラ」、食品では「梅干」「食酢」等が挙げられますが、世界で一番・・・という質問には明快にお答えできません。ご了承ください。
 
質問23 淡口醤油の塩分濃度は濃口醤油の何倍くらいですか?
匠の答え 醤油の塩分濃度の全国平均は、濃口醤油16.8g/100ml、淡口醤油18.8g/100mlで、ミヤジマの製品では、濃口醤油15.5g/100ml、淡口醤油17.2g/100mlとなっています。
つまり、淡口醤油は濃口醤油の約1.1倍の塩分濃度であるといえます。
 
質問24 日本人が一番好きな味噌汁の具材は何ですか?
匠の答え みそ健康づくり委員会が行ったアンケート調査によると、好きな具材の第1位には豆腐が選ばれました。以下、2位わかめ、3位油揚げ、4位長ねぎ、5位じゃがいも、6位大根、7位玉ねぎ、8位なめこ、9位しじみ、10位里芋という結果になっています。
 
質問25 『三杯酢』って、どんな酢のことですか?
匠の答え 『三杯酢』とは、砂糖を加えたやや甘めの合わせ酢です。もとは、酢・醤油・酒(みりん)を同量で合わせることから、この名前がつきました。ささみときゅうりの他、淡白な味わいの魚介類や野菜によくあいます。
同じような名前の『二杯酢』ですが、こちらは甘みのないさっぱりとした合わせ酢。酢と醤油を1:1の割合で合わせることから、この名前がつきました。味をやわらげるため、だしなどを加えるのが一般的です。
 
質問26 『さしみ醤油』は普通の醤油とどう違うのですか?なぜ価格が高いのですか?
匠の答え さしみ醤油と普通の醤油の大きな違いは、仕込みに使用する水分(仕込み水)の違いです。
通常、醤油の仕込みには食塩水が使われます。一方 さしみ醤油の仕込みには、濃口醤油が使われます。再度発酵を行わせるため、品名は「さいしこみ(再仕込)」となっています。
つまり、同じ工程を二度繰り返す分手間がかかり、価格が割高になるのです。その分、濃口醤油よりも色・香り・味が濃厚な醤油ができあがります。
 
質問27 『麺つゆ』のラベルに、「開栓後はお早めにお召し上がりください」とありますが、毎日 素麺では飽きてしまいます。何かいい方法はありませんか?
匠の答え 解決方法として次の二つが挙げられます。
使用用途を増やす・・・
だし入り調味料として、煮物・茶碗蒸し・炊き込みご飯・天つゆなどに利用する。
冷凍保存する・・・
長時間冷凍庫に入れるとシャリシャリした状態まで凍ります。(カチカチには凍りません。)ご使用の際は注ぎやすい状態まで若干溶かしてからお使いください。
 
質問28 衣類に付いた醤油のシミを落とす方法を教えてください。
匠の答え
【1】 すぐにティッシュやタオルで吸い取る。
【2】 水または中性洗剤を薄めた液で汚れを浮かせてタオルなどに吸わせるか(タオルの上から掃除機で吸わせるとなお吸い取りやすい)、歯ブラシにタオルを巻いて外→中心に向かってたたくように拭き取る。
【3】 【2】を繰り返す。
(タオルは常に汚れていない面を使用。吸い取った汚れが移るのを防ぐため)
【4】 ある程度落ちたら、市販の染み抜き剤を使用して洗濯する。(色柄物の場合は染み抜き剤の説明をよく読んで使用。)
上記でも落ちない場合はクリーニングに出してください。
 
質問29 今さらですが・・・料理の基本「さしすせそ」を教えてください。
匠の答え
砂糖
醤油(せうゆ)
味噌
砂糖の前に塩を入れると塩分が先に染み込み、後で砂糖を入れても糖分がなかなか染み込みません。醤油も塩分があるので、同じような現象が起こります。
酢は加熱すると蒸発するので、早く入れすぎないほうがいいでしょう。また、醤油・味噌はどちらも香りを大切にする調味料なので最後に入れます。
 
質問30 『八方だし』ってどんなだしですか?名前の由来は?
匠の答え 『八方だし』の名前は、「四方八方」に使えるところからきています。その名の通り、様々な料理に使えて本当に便利です。
【材料】(約4カップ分)
4カップ
だし昆布 15cm程度
かつお節 10g
醤油 70cc
みりん 30cc
20cc
【作り方】
(1)昆布を水に浸す
乾いた布巾で昆布表面の砂やほこりを拭き取る。鍋に水と昆布を入れ、30分程おく。
(2)中火にかける
(1)の鍋を中火にかける。沸騰直前に昆布を取り出す。醤油、みりん、酒を加え、沸騰したらかつお節を加える。再び煮立ったら火を止める。
(3)できあがり
かつお節が沈み、粗熱が取れたらこし器でこす。冷蔵庫で保存する。
【使い道いろいろ】
うどん、そば、そうめん等の麺つゆとして
卵とじ、親子丼に
ごま油を加え、刺身や豆腐、野菜にかける
醤油とみりんを少量加えて天つゆに
酒を加えておでんに
片栗粉でとろみをつけて、あんに
カレーをのばしてカレーうどんのつゆに
 
質問31 洋食のかくし味として醤油を利用すると、どうしても風味を生かすことが出来ず、反対にとげとげしくなってしまいます。なにかポイントはありますか?
匠の答え 具体的な料理がわからないのでなんともいえませんが、使う量が多いと醤油の味が勝ってしまいます。量を調節して、あくまでも隠し味として使うか、ジャポネソースのように醤油を主体にした料理にするか決めるといいでしょう。最近は和洋折衷や、アジア料理など多様化しています。ぜひ、いろいろな味にチャレンジしてみてください。
 
質問32 誰でも簡単に美味しく作れるお味噌汁の作り方があれば教えてください。特に味噌汁の濃さはどのくらいがよいのですか?
匠の答え 味噌汁に使う味噌は、一般的に梅干1個分を目安にしています。4人分ならば大さじ2〜3くらいです。だしは煮干かかつおが基本ですが、最近は便利なだしパックもあります。昆布をタッパーに浸けて冷蔵庫で保存し、かつおまたはいりこなどを加えてだしをとると便利です。だしがしっかり取れていると薄味でいただけるので、しっかりと良いだしをとることをお勧めします。