自粛中 さらに続くよ海の生物
16.ヒジキ(褐藻類)
我々が食卓でおなじみの海藻といえば昆布、ワカメ、海苔が御三家で、ヒジキは、もずく、アオサなどとともに第二集団と言えるだろう。ただ、昆布やワカメはもともと海で生えている姿もおなじみだが、ヒジキはどうか。私たちが日頃目にしているヒジキ(主に芽ヒジキ)は黒くて細い、消しゴムのかすを大きくしたような姿(こんな形容しかできずにすみません)に加工されたものなので、実際に生えているヒジキを見たとしても、これがヒジキだと断言できる自信が私にはない。
ずいぶん前の話になるが、ヒジキの安全性が話題になったことがある。調べてみると2001年にカナダの、2004年には英国の公的機関が、ヒジキは無機ヒ素を多く含んでいるので食べないほうが良い、との勧告を出している。へぇ欧米でもヒジキを食べるのか、まさか醤油味の煮物じゃないよなぁ、という感想はともかく、私が鮮明に覚えているのは、この報道を受けて専門家と言われる人がテレビで「ヒジキを毎日どんぶり一杯食べる人がいれば別ですが、普通に食べているぶんには心配ありません」というようなことを言っていたことだ。なぜそれを覚えているかというと、そのニュースが流れる以前に某女性トップランナーが、貧血体質を改善するために毎日山盛りのヒジキを食べている、と語っていたのを知っていたからで、普通の人は大丈夫でも彼女はどうかなぁ、と思わず心配してしまったからだ。まさか健康を害するようなことはないだろうが、このことから何かを学ぶとすれば、好き・嫌いの域を超えた極端な食生活はやめたほうがいい、ということだろう。
なお、ヒジキは加工の方法によって含まれる鉄分が違うらしいので、貧血にはヒジキ、と単純には言えないらしいです。では、ヒジキの色と形状を生かした料理を一品。
【肉団子のヒジキまぶし】
- お好みのひき肉にお好みの下味をつける。
- お好みの大きさに丸める。
- ヒジキをまぶす。
- 蒸す。
- まっくろくろすけ乱入!!
17.魚肉ソーセージ(加工食品類)
とうとう海の生物のネタが尽きたか、と思われるかもしれないが、魚肉ソーセージはもともと海の生物だったのを加工したものなので、まだ大丈夫だ。
私は魚肉ソーセージが好きだ。いつからそうなったのか、きっかけは明確だ。以前ランニング仲間から、長距離を走っている途中で食べる補給食として魚肉ソーセージがいかに優れているかを力説され、差し入れられたソーセージをいただいて、なるほどと納得したからだ。
この食品の優れているところは、①常温で携帯が容易、②へろへろに疲れた状態でも食べられる、③ゼリーよりも腹が満たされる、④味はたんぱくで高たんぱく、⑤リレーのバトン代わりに使える、とランナーにとってはいいことずくめなのだ。とはいえ、最近は補給食が必要になるほどの長距離を走っていないので、我が家ではもっぱら酒のつまみとして在庫している。
魚肉ソーセージには各社いろいろな種類があって、中には山陰産ノドグロを使用したちょっと高級なものもある。これは某大手水産加工会社が、弊社宇都宮工場と同じ清原工業団地にある工場で製造しているものだ。山陰でとれたノドグロを、わざわざ宇都宮まで運んで加工するとはなんと非効率な、と思うのだが、わが社の場合も九州の醤油会社がなんで宇都宮に工場を、と思われているだろうから、まあ各社それぞれ事情はあるのだ。
それにしても、のどぐろのソーセージは美味である。
2021年7月