2018年 新年のごあいさつ
2018年1月1日
宮島醤油株式会社
代表取締役社長 宮島清一
2018年、平成30年の新年、明けましておめでとうございます。昨年も弊社と弊社商品に対するご愛顧ありがとうございました。謹んで新年のごあいさつと御礼を申し上げます。
今年は明治150年。我が国が近代国家としての歩みを始めて150年になります。我が社は創業136年を迎えます。明治の先人たちが考えたことを振り返り、今に生きる者の責務をかみしめたいと思います。グローバル経済の嵐が吹き荒れる中で、我が国が落ち着いた良質の文化を保ち、豊かで安全な暮らしのできる国であるためには、中央一極集中を改め、活力ある地域経済と温かい地域社会を築くことが大切だと思います。弊社のような、地域に永く根差してきた食品会社の役割はますます大きいと自覚しています。昨年の活動を中心に、弊社事業の一端をご報告します。
第一は食品の品質管理と安全管理です。弊社の食品生産は3つの工場で行っています。宇都宮工場(栃木県宇都宮市)は2006年、本社工場(佐賀県唐津市)は2012年、妙見工場(佐賀県唐津市)は2016年にSQF(Safe Quality Food)国際認証を取得し、3工場が揃ってSQF認証工場となりました。世界中の皆さんに安全で高品質な食品をお届けする取り組みを、今後も進めてまいります。
第二は脱石油の取組みです。食品会社では、加熱調理等に燃料を使います。弊社では二酸化炭素排出量の多い石油から、よりクリーンな天然ガスへの切り替えを進めてまいりました。2012年に本社工場、2015年に宇都宮工場に工業用天然ガスラインを引き、妙見工場には2013年に屋外LNG貯蔵タンク(サテライトステーション)を設置することで、3工場へのガス供給インフラを整えました。発電設備としては2015年に宇都宮工場、昨年は妙見工場にガスコージェネレーションシステムを設置しました。こうして弊社は石油を殆ど使わない会社になりました。
第三は主力工場である妙見工場を環境先進工場(スマート工場)にする取組みです。昨年、ガスコージェネレーション設備の排熱を利用した吸収式冷凍機を新設しました。電気式エアコン61基に制御機器を搭載すると共に、工場全体をカバーするエネルギー計測・制御システムを導入し、きめ細かな省エネ管理を行うようにしました。工場内のすべての蛍光灯と水銀灯を廃し、1,163個の照明及び118個の誘導灯をLED(Light-Emitting Diode)化しました。これら一連の投資により、今年は工場全体で15.6%のエネルギー削減をめざします。
第四は地域の第一次産業と連携した「地産地工」事業です。昨年は「はかた地鶏カレー」、「かごしま黒豚カレー」、「博多水炊きスープ」など、九州の特色ある畜産物を使った商品を発売しました。全国で販売していますので、ぜひお試しください。
最後に、文化と地域貢献の事業です。第二次世界大戦時の佐賀県唐津市を舞台とする大がかりな文芸映画を数年前、大林宣彦監督が企画され、弊社はそれをずっと応援してまいりました。この映画「花筐/HANAGATAMI」は昨年の東京国際映画祭とアジアンフォーカス・福岡国際映画祭に出品され、戦時下に魂の自由を求めて格闘する青年たちの姿が大きな反響を呼びました。現在、全国で上映されています。栃木県宇都宮市では昨年、餃子(ぎょうざ)をテーマにしたラブコメディー映画が企画され、こちらにも弊社は積極的に協賛しました。秦建日子(はたたけひこ)監督による「キスできる餃子」という楽しい作品で、主演は足立梨花さん。今年の夏、全国で上映される予定です。映画の公開にあわせて、当社でも餃子を使った新商品を発売し、「餃子の街」宇都宮を盛り上げるため、微力ながらお手伝いしたいと思います。
これからも安全で高品質な食品をお届けし、事業を通じて社会に貢献する企業として前進してまいります。皆様どうぞよろしくお願い申し上げます。
虹の松原の松葉かき
(2017年11月、佐賀県唐津市、虹の松原の再生・保全活動)