レッツ・チャレンジ
第42回目は『ラフティング』に挑戦!
前回のレッツ・チャレンジ「山歩きin龍王峡」に引き続き、今回も栃木でのチャレンジです。せっかく栃木まで来たので、いろんなことをやってみたいと思っていたチャレンジャーNとMに、宇都宮在住のチャレンジャーYから鬼怒川では「ラフティングもできますよ」との提案がありました。「おもしろそう!やってみたい!」と即答したチャレンジャーNとMでしたが・・・。
いざ当日(10月20日:日曜日、天気は雨)を迎えてみると、そういえばもう10月だし、しかも九州に比べて段違いに寒いし、なんだか天気も悪いし、前日の山歩きの疲れも残っているしとすっかり意気消沈。元気がでないまま、集合場所の鬼怒川レジャー公園に向かいます。
集合場所に到着して、ほかの参加者はいないかなと探してみましたが、それらしい人たちはいないようです。そして、9時前に栃木カヤックセンターの方と合流し、事務所まで案内していただきました。ここまできても、まだチャレンジャー3人の士気は上がってきません。どうやら、前日の山歩きで使い果たしてしまったようです。
事務所に着くと、まずは着替えの説明を受けます。水着だけは持ってきていたので、その上に着るウエットスーツとジャケットをもらいました。スポーツサンダルは通常500円のところ、10月1日から秋割りがスタートしており、無料で借りられます。さらに温泉入浴料、ツアー画像も無料サービスと大変お得です。
そして、このウエットスーツとジャケットを着た途端、それまでモヤッとしていた私たちのチャレンジャー魂が覚醒しました。ウエットスーツにピッタリと包まれ、ジャケットの保温性に驚き、途絶えがちだった会話も復活しました。「これすごいですね」、「全然寒くないよね」、「雨も気にならなくなった!」と急に元気になったのです。
出発の前に「今日はほかの参加者は?」とスタッフの方に聞いてみると、「今日は皆様だけですよ」とのこと。思いがけず、貸切状態!ということで、さらに高まってきました。
すっかり元気いっぱいです。
スタート地点に着きました。パドルの持ち方と漕ぎ方の説明を受けます。グリップに親指をかけて握ります。パドルを頭上に置いて、両肘が90度に曲がるくらいの幅で持ちます。
そして、こちらが私たちが乗るラフト(いかだ)です。勝手にチャレンジャー号と名付けます。ラフトを使って川を下ることをラフティングといいます。
インストラクターの「おむすびさん」がっちりタイプのイケメンです。チャレンジャーたちを安全にガイドしてくれます。
外側のチューブに座り、足は中のチューブの下に入れて固定させます。時々落ちることもあるそうですが、落ちても無理して泳がない。仰向けになり、足を下流に向けて上げ、仰向けで流れの遅いところまで移動しましょうと教えてもらいました。
鬼怒川ラフティングは約6キロメートルのツアーです。流れの遅いところをとろば(瀞場)、はやいところをせ(瀬)と呼び、「とろば」と「瀬」が交互にやってきます。瀬では一生懸命パドルを動かして漕ぎます。そして一番大事なのは、チームワークだそうです。これまでのチャレンジを通して、チャレンジャーたちの絆は強くなっているはず。団結力を見せるときがやってきました。いよいよ、瀬に突入します。
「イッチ!ニッ!イッチ!ニッ!」と合図しながら漕ぎます。チャレンジャー号のスピードが上がり、一気に下っていきます。チャレンジャーたちも大興奮です。
最初の瀬を無事に漕ぎきって、安堵の表情を浮かべるチャレンジャーたち。漕ぐことで体も温まり、ますます楽しくなってきました。とろばでは周りの景色を眺めながら、ゆっくりと過ごし、次の瀬に備えます。
突然、おむすびさんから「はい、それじゃ、みなさん立ってください」と指示が出ました。「エーッ!」と驚きながらも、恐る恐る立ち上がるチャレンジャーたち。そのまま瀬に入りました。落ちるのは嫌なので、必死にバランスをとって、耐えます。
何とか持ちこたえて、パドルでハイファイブ!本来ならば喜びに満ちた表情で行うべき儀式ですが、不安定な状態で行っているせいか、表情が硬いままです。
そして、次の瀬では「ラフトの上にうつ伏せになって寝てください」とおむすびさんから指令がでました。「オー」とか「ワー」と叫びながら流されていくチャレンジャーたち。激しい流れが目の前に迫ってきます。
また、瀬を下りながら「右側は前漕ぎ、左側は後ろ漕ぎ」という声が掛かり、「イッチ!ニッ!イッチ!ニッ!」と漕いでみると、チャレンジャー号がぐるぐると回転しながら下っていきます。遊園地のコーヒーカップに乗っている気分でしたが、景色と激しさが全然違います。
「次は滑り台をやってみましょう」とおむすびさんから新しいアトラクションの提案がありました。しかし、周りを見てもゴツゴツした岩場ばかりで、とても滑り台になりそうなところはありません。背中とお尻が削れてしまうと不安に思っていると、おむすびさんがチャレンジャー号をひっくり返しはじめました。すると、滑り台が突然あらわれました。もちろん滑り終わった先は川の中です。
まずは、チャレンジャーNから滑ってみます。Nの「ギャー」という悲鳴が聞こえてきました。「すっごく冷たい!!」とブルブル震えながらゾンビのような格好で岸に上がるN。
次にチャレンジャーYも滑り、いよいよ私(M)の順番が回ってきました。ヨシッと気合を入れると、私の耳に「女性の方は頭からいきましょう!」とおむすびさんの声が届きました。「私だけなぜ!?」と思いながらもチャレンジャー号の上に横たわるチャレンジャーM。一応ピースサインをしています。頭からドボンと川に入り、冷たさに体が縮みます。10月の川に入ったのは初めてでした。
NとYは自ら志願して、頭から滑ります。
冷たい寒いと大騒ぎしていたチャレンジャーたちですが、滑り台はただの準備運動で、このすぐあとにさらなる恐怖イベントが待ち構えていました。
「はい、今度はあの岩場から飛び込んでいただきます!」とおむすびさん。
チャレンジャーたるもの、飛び込まないわけにはいきません。何のためにここまできたのか?それは飛び込むためだ!と自らを鼓舞し、やってきました岩の上!
「どなたから行きますか?」とおむすびさんからの問いかけに、つい「私から行きます」と答えてしまったチャレンジャーM。鼻に水が入るのを恐れて、鼻をつまんだりすると、衝撃で指が鼻に入ったり、目を突いたりするので、ライフジャケットの肩の下の部分をしっかり持ちます。
川面までは約4メートル、下を見ると震えるので、正面の岩を見つめ、3、2、1、ゴーで飛び込みます。一度ためらうと、二度といけなくなると覚悟を決め、飛びました!
まっすぐ飛んだつもりが、体勢を崩し、お尻から落ちてしまいました。ザッバーーンと勢いよく着水し、ゴボゴボと沈んだ後、ブクブクと浮き上がりました。
3人とも無事に飛び込みを終え、達成感をかみしめます。
船で川下りを楽しむ人たちに手を振ったり、釣り人に挨拶したりしたり、穏やかなひと時もあります。前日の山歩きでも奇岩、怪石のオンパレードでしたが、このラフティングコースも見どころがいっぱいありました。極め付きは、船頭さんが名付けたので、「センドー・バーナード」という名の犬顔の岩です。しばらく緊張状態が続いていたので、いい感じに脱力しました。
宙に浮いたものを発見しました。
さて、おむすびさんからクイズです。
「これは何に使うものでしょうか?」
正解は、これに人がのって川の水位を測量していたそうです。最近まで使われていたとのことです。これに乗るのもなかなかのチャレンジですね。
おむすびさんが「まだ時間もあるので、今度は5メートルの岩場から飛び込んでみましょうか!」と。飛び込みは一回だけだろうと思って、油断していたチャレンジャーたちの間に衝撃が走りました。動揺が隠せないまま、再びやってきました崖の上!1メートル高くなっただけですが、その場に立ってみると4メートルの時に比べて水面がすごく遠く感じます。それでも、「レッツ・チャレンジ!」を合言葉に飛び込みました!
2人目のジャンパーは4メートル崖からのジャンプではお尻で着水したチャレンジャーM。今後こそは決めてやる!と意気込んで飛び出しましたが、裏目に出たようです。どういう体勢で飛び込んだのか自分ではよく分かりませんでしたが、見ていたNの証言によると、「2回転してましたよ!大丈夫ですか!?」と、とても心配されてしまいました。鬼怒川の水を大量に味わうことになり、鼻にも水が入って、渋い顔をしています。
まだ膝がガクガクしています。
おむすびさんがチャレンジャーNに「船の前に行って、後ろ向きに座って目を閉じてください」と言いました。何が起こるのかびくびくしているチャレンジャーNです。すると、前方からドドドドドッと大きな水音が聞こえてきます。ここは「懺悔の滝」と呼んでいるそうです。そのまま滝に近づき、大量の水を浴びるチャレンジャーN。なぜか笑いが止まりません。冷たすぎて、おかしくなったようです。
懺悔の滝を過ぎてしばらくすると、チャレンジャーYが同じ指令を受けました。おそるおそる待っていると、今度はなんとお湯でした。ここ鬼怒川一帯は温泉地なので、温泉のお湯が川に注ぎ込んでいました。気持ち良さに目を細めるチャレンジャーY。
楽しかったラフティングの時間が終わり、チャレンジャー号とのお別れのときがやってきました。約1時間半のツアーでしたが、盛りだくさんの内容で寒さも吹き飛びました。おむすびさん、どうもありがとうございました。10月の川は冷たい、だけどラフティングは熱い!
鬼怒川ラフティング体験はぜひ栃木カヤックセンターで!カヌー、カヤック、冬場はスノートレッキングも楽しめます。
2013年12月