レッツ・チャレンジ

第48回目は『採蜜』に挑戦!

レンゲの花畑でチャレンジャーN

ミツバチになったチャレンジャーEM

 福岡県朝倉市にある藤井養蜂場さんにお伺いし、採蜜の体験をさせていただきました。藤井養蜂場さんは明治42年に創業、今年で108周年を迎えられる老舗の養蜂場です。弊社のお得意先でもあり、日頃より大変お世話になっております。採蜜体験をしてみたいとお願いしたところ、快くご承諾いただきました。

 2017年4月27日(木)、前日は少し雨が降っていたようですが、当日は晴れ、とてもよい採蜜日和です。藤井養蜂場の採蜜担当の堀さんから、天気が悪いとミツバチの気性が荒くなること、天気がよいとミツバチたちがよく飛び、穏やかでよく働いてくれることを教えていただきました。また、福岡はレンゲの満開が終わりつつあり、採蜜には一番いい時期なのだそうです。

 藤井養蜂場さんは、南は九州の種子島から北は北海道まで、とりどりの花を求めて約2000群(約6000万匹)のミツバチと共に採蜜の旅をされています。そして、ミツバチたちは越冬のため11月に南九州に戻ってきます。

藤井養蜂場看板より

 5月中旬には青森に行き、リンゴの花の採蜜をするそうですが、青森のリンゴ農家の方たちもミツバチの来訪を心待ちにされているとのことです。藤井養蜂場さんはリンゴの花の採蜜ができ、リンゴ農家の方たちは受粉・交配の手間を省けるというWin-Winの関係です。

 このように貴重なお話を伺った後、採蜜現場に連れて行っていただくことになりました。


 そして、いよいよ、現場に向かうための準備です。防護服一式を受け取ります。
 これからミツバチに会いに行くんだ!という気持ちが高まります。
 まず、つなぎを着ます。腕貫きをはめ、グローブを着用します。足元は長靴を履いて守ります。

防護服を着て気持ちを
高めるチャレンジャーN

 車に乗って、しばらくすると採蜜現場に到着しました。レンゲ畑から約2キロ離れたところにあるそうです。
 頭に装着する網付きの帽子は「面布(めんぷ)」という名前です。ひもがついており、2本のひもを両脇から後ろに通し、背中で交差させ前で結びます。そうすることで、隙間がなくなり、ミツバチが侵入してくる心配がなくなります。

藤井養蜂場営業担当の坂口さん(左)より、面布の装着方法を教えていただく。

 採蜜現場ではミツバチが飛び回っていましたが、面布をかぶっていることで、ミツバチが耳元に寄ってきても、「ぶんぶんぶんはちがとぶ♪」と口ずさめるくらいの安心感です。

ずらりと並んだ巣箱

 巣箱の中に巣枠が入っており、ミツバチがたくさんいます。

 藤井養蜂場さんでは西洋ミツバチを養蜂されています。

 巣箱から巣枠を取り出す際に、ミツバチの興奮を抑えるために煙を吹きかけます。その作業を体験させてもらいました。

 巣枠を持たせてもらいました。ミツバチをつぶさないように持ちます。ミツバチはそっと扱うと攻撃してきたりはしないそうなので、慎重に持ち上げます。はちみつがいっぱい詰まっているからでしょうか、ずっしりとしています。

 ミツバチ社会は女王蜂、働き蜂、雄蜂の3種類のミツバチで構成されています。1つの巣箱の中に女王蜂は1匹だけ、毎日2000個も卵を産みます。働き蜂(雌)はせっせと花蜜を集めたり、掃除、巣作り、育児に大忙しです。巣箱の中のミツバチはほとんどが働き蜂です。一方、雄蜂は蜜集めは行いません。女王蜂と空中結婚する以外は巣箱のなかでぶらぶらしているのだそうです。

 こちらの白くなった部分は蜜ブタと言います。働き蜂は集めてきた蜜を羽をばたつかせて濃縮させ、糖度を高めていきます。糖度が80度くらいになると、フタをするそうです。

 そんなミツバチたちの涙ぐましい努力によってできている蜜ブタを押して、そこから流れてきたはちみつを味わわせていただくことに!

 そっと指に取り、味わってみると、おいしーーー!!!と思わず声が出ました。上品な甘さとしっかりしたコクが感じられます。

 採蜜担当の堀さんに「何に使うのがお勧めですか?」とお聞きすると、「冷やしトマトです。かけるともうフルーツですよ!」とのこと。

 巣枠についたミツバチをブラシで払い落とし、蜜ブタを切った後、遠心分離器にセットして回すとはちみつが流れ出てきました。ここまで見せていただいた後、レンゲ畑に案内してもらいました。


満開のレンゲ

 日本国内では年々蜜源の確保が難しくなっているそうです。藤井養蜂場さんは昭和40年代から海外の養蜂家との技術交流を続け、品質の確かなはちみつを確保できる状況を構築されています。また、国内ではレンゲの種子をまくなど、蜜源の確保に熱心に取り組んでおられます。

 こちらのレンゲは田んぼで栽培されています。レンゲが終わると水田になり、米が栽培されます。レンゲはそのまま土中にすき込んで肥料にし、レンゲの養分をたっぷり吸収したおいしいお米(レンゲ米)になります。

 近寄ってみると、ミツバチが蜜を集めに来ていました。いままでは、ハチといえば刺すというイメージでしたが、いろいろ見学した後だったので、「がんばってるなー、えらいなー」とつい感心してしまいます。

 採蜜現場とレンゲ畑を見学し、防護服越しにミツバチとふれあったり、とれたてのはちみつの味見をしたりと貴重な体験ができました。初めて知る事ばかりで驚きの連続でした。ミツバチが想像していた以上に、働き者でビックリしました。少しは見習わなくては。


 とれたてのレンゲはちみつをお土産にいただいたので、採蜜担当堀さんお勧めの「冷やしトマトのはちみつ掛け」を試してみました。

 普段はドレッシングか、何もかけないかの2択でしたが、新たなそして強力な選択肢登場!です。酸味はきちんと残しつつも、甘さが増します。甘すぎずサッパリしていて、おっしゃる通りフルーツのような食べ物になりました。


 今回のチャレンジでは、藤井養蜂場さんがミツバチを大切にされ、ミツバチと共にこれまで歴史を築いてこられたことに大変感銘を受けました。

 専務取締役の藤井敬三様、採蜜担当の堀様、営業の坂口様には大変お世話になりました。ありがとうございました。

 本社工場内には藤井養蜂場さんで生産されているすべての種類のはちみつが購入できる直売所やミツバチについて学べる資料館が併設されています。ぜひお出かけください。

会社のすぐそばには国指定文化財の三連水車があり、田植えの時期になると廻り始める。

2017年5月