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私の似顔絵
(辛亥新春、昭和58年に
描いてもらいました。) |
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会長コラムへようこそ。
3月11日の東日本大震災をはじめ、多事多難の平成23年、2011年もはや師走に入ります。
私が住んでいる“唐津”では、11月2日の夕方、3日、4日の“唐津くんち”が終われば、「・・・もうすぐ正月たい」と言います。 |
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唐津くんちは、三月(みつき)倒れと称して、3ヶ月分の収入を注ぎ込んで、曳山を曳き、お客さんを接待するほど賑わいます。それが終わればホッとしているうちに年の瀬が迫ってくるのが実感です。
その“おくんち”で、私が過ごした生活の一コマを紹介しましょう。 |
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(一)唐津大手口の新しいビル、Otte(おーて)の屋上から |
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二礼、二拍手、一礼 |
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11月3日、文化の日、祝日。 |
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唐津の人にとっては、文化の日より、“唐津くんち”である。 |
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唐津に生を享けて80余年、秋になると、笛太鼓の音にソワソワする。とくに、唐津神社の近く、西城内に住むようになると、3日、4日は一日中何処からともなく、ヤマ囃子が流れてくる。 |
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今年もまた、神社に手を合わせ、午前10時の曳き出しを見送りながら、人の流れにのって、大手口へとそぞろ歩く。 |
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ふいと思いつき、妻を最近オープンした新しいビルに誘う。 |
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まだバスの発着場が完成していないので、人影もまばらだ。まっすぐ、屋上へ。 |
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秋とは思えぬやわらかい陽光は、紺碧の玄界灘に注ぎ、浮岳から虹の松原、鳥島、高島をめぐり、その島々を縫いながら、白いヨットが帆をふくらましている。 |
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唐津城(左)と浮岳(右奥) |
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大島(左)、鳥島(中央)、高島(右) |
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さらに眼下には、大手口から緑にかこまれた、明神さん(唐津神社)まで、人、ひと、ヒト・・・で、長蛇の列がうごめく。
しばし、二人でこの唐津らしい景観に酔う。ふりかえって、唐津の街々から上場(うわば)の台地へと、視線をめぐらす。 |
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上場台地 |
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そろそろ降りようかと思ってふりかえると、略礼服に身を包まれた老紳士、・・・私より少し高齢かな・・・と、付き添っておられるのは、娘さんらしいご年配の女性、静かに屋上へと入ってこられる。 |
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しばらく、唐津港の方を眺めておられたが、最も明神さんに近い所に立ち止まられる。 |
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そして、お二人は、唐津神社に向かって足を揃えられ、直立不動、そのあと徐に、二礼、二拍手、一礼。 |
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お二人の周囲には、何か、ピーンとした緊張感、敬虔さが漂ってくる。 |
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終わって、お二人、静かに屋上を去られた。 |
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長く唐津を離れられ、久しぶりに唐津へ帰られ、雑踏の中を通っての参拝は無理なので、遥拝されたのだろうか、その心の中はどんな思いが走ったのだろうか。 |
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思い切って、声をおかけして、唐津の現況でもお話ししようかとの衝動を抑え、静かにお見送りする。帰宅後は、妻も同じようなことを考えていたという。 |
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ただ、佳い年を迎えられ末永くご健勝をとお祈りする。 |
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(二)70年前の大手ビル2階(?) |
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新しい大手口のビル、Otte(おーて)。屋上の景観をめでたあと、一階のロビーに唐津、大手口の古い写真が展示してある。その中の一葉、「昭和8年大手ビル百貨店完成」が眼にとまる。 |
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想いは70年前に遡る。 |
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昭和16年9月7日の夕、大手ビル2階(3階かも)、食堂で食べた親子丼の味である。 |
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昭和16年は、その年の12月8日に、日本は米英両国と戦端を開いた年であるから、すでに日本は軍国主義に満ち溢れ、私は国民学校(小学校が国民学校と改称)の6年生、従って、スポーツと言えば、柔道、剣道、相撲が盛んであった。 |
その当時、松浦清風会という相撲振興の団体があり、相撲が盛んであった。その小学生大会が、毎年、現在の曳山会館のある場所で開かれていた。当時の唐津市、東松浦郡の全小学校が参加する大会だった。私も外町小学校から参加、残念ながら団体は良きライバルだった西唐津小学校に敗れた。 |
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昭和8年完成の大手ビル百貨店
写真提供:株式会社まいづる百貨店 |
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残るは個人の部。私は順調に勝ち進み、決勝は西唐津小学校の宿敵M君。潜ってくるM君を起こし、寄り倒して勝ち、優勝!気付けば周囲は日暮れていた。優勝の賞状をもらった記憶は、70年の歳月で失せてしまった。手許に賞状があるのだから受けてはいる。 |
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しかし、最も鮮明に記憶に残っているのは、付き添って頂いた牧山先生が、大手ビルの食堂で「親子丼」をオゴってくれたこと。そして、その味。最高においしかったこと。 |
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昭和8年完成の大手ビルの古い写真を眺めていると、70年前の童顔の少年時代にかえっていた。 |
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勿論、親子丼は現在も大好物。その上、人一倍の大相撲ファンではある。 |
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(三)唐津大手口の新ビル、Otte(おーて) |
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唐津市街の中心地、「大手口」に7階建ての瀟洒な複合ビルが誕生、10月30日オープン、明るい雰囲気を醸し出している。 |
その屋上から、唐津湾を望む景観はおすすめ、1~2階のしゃれた喫茶、レストラン、本屋さん、コンビニ・・・・・・等々、憩いの場でもある。 |
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唐津大手口の新ビル Otte(おーて) |
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新しいビルの愛称はOtte(おーて)。その意味は、 |
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【1】Otteはデンマーク語で「8」を意味する。 |
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【2】大手口センタービルは1~6階、屋上の7フロアからなり、もう一つのフロア(8階目)は「まちなか」にあり、人が集って「8(和・輪)」となる。 |
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【3】「8」の末広がりのイメージが、情報発信基地やバスターミナルと合致する。 |
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【4】「おーて」という読みは、長年親しまれている「大手口」、「大手門」という呼称をイメージでき、覚えやすい。 |
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【5】デンマークは、ロイヤルコペンハーゲンなどの陶磁器文化、ヨットが盛んな国で、唐津との共通点が多い。 |
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唐津を訪ねられたら、是非、お立ち寄りを。 |
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12月11日(日)は唐津うまか博、第7回からつ鍋まつりが、今年は唐津市街地で開催。 |
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唐津の師走も楽しさいっぱい!楽しんでください。 |
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そして、やがて平成24年、どうか佳いお年をお迎えください。 |
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