私の似顔絵
(辛亥新春、昭和58年に
描いてもらいました。)
 会長コラムへようこそ。

 唐津商工会議所の太田会頭から、「ミヤジマさん、唐津検定をしようと思っとるサイ。あんた、やってくれんね」と肩を叩かれた。
 健康にいささか不安もあり、逡巡していたが、唐津に生まれ育った一人として・・・と思い直し、お引き受けすることとしたのは、平成21年の夏だった。
 3月末に、第一回の検定事業を終える。反省と感謝をこめて、このコラムを綴っていきます。
 
「唐津の魅力継承事業 唐津検定」 をかえりみて
(一)唐津の魅力継承事業とは
 今回の唐津検定は、いわゆる官(唐津市)と民(唐津商工会議所)の共同事業である。正式には「唐津の魅力継承事業」として
1 事業の目的
 唐津市の魅力・特色ある地域資源を収集、記録保存し、情報発信することにより、市民の郷土を愛する心を醸成し、次世代に引き継ぐもの。
2 委員会の役割
(1)唐津市が持つ、長い歴史、恵まれた自然、豊かな文化や産業について情報、資料を収集し、地域を学ぶ参考書を刊行
(2)「唐津検定」を実施し、「唐津」を学ぶ機会を提供
(3)地域資源情報発信のための事業
(4)その他、唐津の魅力継承推進のために必要な事業
 以上のような目的で活動するのだが、「唐津商工会議所」が母体となって実施することになる。
 組織的には、事務局として「唐津の魅力継承事業唐津検定事業推進室」を唐津商工会議所内に設置(室長、他2名)、企画立案、実施にあたり、唐津検定委員会を設け、23名を選定して頂く。
 まず、重要な活動として、次のふたつ。
1 唐津の宝、魅力である歴史、自然、文化等の情報を収集して一冊の参考書にまとめる。(「唐津探訪」の発刊)
2 唐津を学び、多くの人に知ってもらうための「唐津検定」を実施する。
 
(二)唐津検定公式本「唐津探訪」の発刊
 このような趣旨にのっとり、唐津検定委員会を開催し、委員の皆さんから、たくさんの“知恵”を、文字通り、恵んでいただいた。
 委員には、幅広い分野で活躍されている方々にお願いしたところ、まことに多士済々、知識・経験は豊か、発言には、思わず、さすが、なるほど・・・と唸るような、センス溢れる内容。お忙しい中でも出席率は上々、全くのボランティアにもかからず、熱心に討論されたのには、頭が下がった。
 
 まずは、唐津市民としての知識の向上、郷土愛を高めること、次世代への継承、唐津を訪れる方々の指針になるように、読み易く写真をいれて、手ごろな内容、平成の合併前の市町村の特色を尊重する・・・ガイドブックでは物足りない、歴史の本では眠くなる、気軽に読めるように、唐津検定の“公式本”になるのだから、平易に・・・等々。
唐津検定委員会
 
 「唐津探訪」をまとめる前提として、
 自然、歴史、産業、文化の4部会にわけ、それぞれテーマを選び、テーマごとに1~2頁にまとめ、写真をつけることとする。テーマは、例えば、自然部会では「虹の松原」、歴史部会では「菜畑遺跡、唐津歴代の藩主」、産業は「捕鯨」、文化は「唐津くんち」等々。
 4部会には検定委員の中から部会長をお願いし、それぞれ数人の検定委員の方と各部会の委員の方に、テーマ選びとそれぞれ要約する作業をお願いした。
 委員の皆様には、この作業がもっともご苦労をかけた。
 おかげで、各テーマは4部門あわせて258項目を数え、発刊した「唐津探訪」の基礎として、また、唐津の魅力推進の事業のひとつとして、本年度末(3月末)には、唐津市の企画課へ「唐津資源素材(個票)」として報告することができた。
唐津資源素材(個票)
クリックすると
PDFファイルが開きます。
 皆様ありがとうございました。
 
 この原稿をもとにして、一冊の本として発刊するにあたっては、素人では手に負えないとの判断から、総合的なプロデューサーを筒井泰彦氏(筒井ガンコ堂さん)に、編集はロトオフィスの石橋葉子さんへ、デザインはマツダヒロチカさんへ、印刷・製本は福博印刷へお願いする。
 こうして、「唐津探訪」は、たくさんの方々のご協力で誕生した。
唐津検定公式本
「唐津検定」
 なにしろ、4月23日(日)に発刊記念のイベントが決定していたので、短期間のうちに完成させねばならず、上記の方々と事務局、その他関係者は“火の車”的な忙しさ。
嵐山光三郎氏の講演
 やっと4月23日、当日に、我々も手にとった。
 当日は、筒井ガンコ堂さん、嵐山光三郎氏の講演会が行われ、唐津ファンの嵐山氏からさっそく、宣伝して頂いた。当日発売と同時に300冊を売り上げた。
 その後、おかげさまで、皆様から好評。
 「読み易いですよ、写真も多く、よくまとめてありますね」
 「唐津にはこんな素晴らしい歴史、文化があるとはじめて知りました」
 「旧東松浦町村のことがよく紹介してありますね」
 「唐津出身で中央の方で活躍されている方々へ、送ったよ・・・」
 「検定が楽しみです、勉強しますよ・・・」
 
 3月末までに3,500冊売上げ、予想以上と喜んで頂く。
 
 「唐津探訪」とともに、より唐津を知ってもらうため、また唐津検定のための予備研修として、いろいろなセミナー、バスツアーを企画、実施した。
 
【セミナー】
セミナーの様子
(1)唐津のパワースポット(仏像等)
(2)名護屋城跡
(3)虹の松原
(4)唐津焼
(5)辰野金吾
【バスハイク】
バスハイクの様子
(1)万葉に詠まれた地
    (七山・浜玉・旧唐津)
(2)桃山文化と水光の地
   (呼子・肥前・鎮西)
(3)縄文遺跡から炭鉱王の館まで
   (旧唐津)
(4)山あいの里に唐津の源流を
   訪ねる(北波多、相知、厳木)
 
 それぞれの先生にはお忙しい中、懇切な御指導を頂くとともに、いずれの講座とも、定員をこえ、こんなに唐津が好きで、もっといろいろのことを知りたい、と思っておられる市民の方々の熱意を感じる。
 
(三)唐津検定実施
 いよいよ唐津検定の実施へ。
 「唐津探訪」発刊後、関心のある市民の方々から、さて、どんな問題が出るのか、難しいのか、全部を暗記するのは大変では・・・との声が寄せらせた。それでは、と唐津をよりよく知ってもらうという目的だから、「唐津探訪」持ち込み可とすることに決定。
 平成23年10月2日実施。
試験要項
出題数 100問 3択
制限時間 90分
出題レベル 唐津の歴史文化などの基礎知識、公式本「唐津探訪」(持ち込み可)より90題出題、合格基準100点満点の70点以上
太田会頭も唐ワンくんとともに 検定試験の様子
 
 受験された方、もう一度思い出して頂くために、間違いの多かった10問を掲載します。
No. 問 題 解 答 正解
(1) (2) (3)
99 唐津市役所の次の支所のうち海抜高度が一番高いところは。 肥前支所 七山支所 厳木支所 (1)
解説:(1)肥前支所…140m (2)七山支所…108m (3)厳木支所…50m 
76 鯨の上あごの軟骨(蕪骨)を酒粕に漬けた珍味でないものは。 松前漬 松浦漬 玄海漬 (1)
解説:「唐津探訪」181ページ記載(松前漬は北海道の郷土料理でスルメ、昆布を主体にしているもの)
98 唐津市内を通っていない国道は。 国道201号 国道202号 国道204号 (1)
解説:(1)201号…福岡県福岡市~福岡県京都郡苅田町 (2)202号…福岡県福岡市~長崎県長崎市 (3)204号…佐賀県唐津市~長崎県佐世保市
4 市町村合併で現在の唐津市になったのはいつ。 平成17年1月1日 平成17年4月1日 平成18年1月1日 (3)
解説:「唐津探訪」8ページ記載
86 米で作った松原おこしは何の形といわれているか。 クロマツ 米俵 金の延べ棒 (1)
解説:「唐津探訪」124ページ記載
13 江戸時代、唐津城に天守閣は。 あった なかった あったが台風で崩れた (2)
解説:「からつ歴史考唐津藩四百年記念」14ページ記載
84 唐津の商業的酒づくりが本格的に始まったのはいつ頃か。 安土桃山時代 江戸時代初期 昭和時代初期 (2)
解説:「唐津探訪」123ページ記載
82 現在の唐津港が貿易港として最も栄えた時代は。 江戸後期~明治 明治期~大正期 大正期~昭和初期 (2)
解説:「唐津探訪」114ページ記載
95 唐津藩6代目藩主小笠原氏が建てた藩校の名は。 志道館 経誼館 盈科堂 (1)
解説:「唐津探訪」203ページ記載(1841年)
37 源頼光が寄進したと伝えられる鳥居、蒙古軍の碇石、太閤石などをもつ肥前最古といわれる古社は。 田島神社 唐津神社 鏡神社 (1)
解説:「唐津探訪」55ページ記載
 
 試験終了後、最も関心が高かったのは、「唐津市役所の支所で、最も海抜が高いのは・・・」です。
 少々、意地の悪い質問でしたが、満点合格者には、「上場産、新米こしひかり3俵」と銘打った以上、満点者を少数に絞ろう、と苦慮したところです。お許しの程を。
唯一の満点者
 しかし、試験終了後、あとあとまで、話題を呼び、それだけ、唐津への関心が深まっていったことは、好結果だったと思っている。
 
  受験者数・・・544名
  合格者・・・524名
  合格率・・・96.3%
  平均点・・・91.6点 と、好成績。
 
 検定試験終了後、10月23日において、唐津市の多くの企業、各社からの参加商品(サービス券)抽選会を開催したところ、500名余りの人々が集まってこられ、大いに盛り上がったこと厚く御礼申し上げます。
 
 唐津魅力継承事業、唐津検定の仕事を仰せつかって、2年数ヶ月。
 唐津検定委員の皆様をはじめ、事務局の小林室長、商工会議所の皆様、とくに太田会頭の強力な指導と、太めの体をこまめに動かしての宣伝行動力に助けられ、ほぼ所期のの目的を全うしたのではないでしょうか。
 皆様方の御厚意によって無事第1回の唐津検定を終了いたしました。ありがとうございました。
 
追記:
 平成24年度の唐津検定も、ほぼ同じようなスタイルで9月30日(日)に実施する予定です。詳細は、4月になって正式に発表されます。
 今年もよろしく。
 
唐津検定WEB:http://www.karatsu.or.jp/karatsukentei/