恐いもの知らずのチャレンジャーが、様々なことに挑戦するこの企画。
いろいろな経験を通して、2人のチャレンジャーが
大きくなっていく様子を見守ってください。
チャレンジャーM
勤続3年目の25歳。女。
チャレンジャーS
勤続4年目の26歳。女。
第4回目は『托鉢』に挑戦!
托鉢(たくはつ)/修行僧が、各戸で施与する米銭を鉄鉢で受けてまわること。
厳しい修行に耐えたお坊さんだけができると思っていた「托鉢」を、一般の人も体験できるということを知り、さっそく行ってきました。
主催者は、唐津市西寺町にある禅寺『長得寺(ちょうとくじ)/長井福雄住職』。ここでは毎週水曜日に坐禅会を行っていて、年に1回だけ「寒行」として托鉢を行うそうです。年に1回といっても、この日の托鉢は7年ぶりに行われたものでした。
朝の4時30分に長得寺に集合。参加者は全部で9名でした。私たち以外は毎週坐禅会に参加なさっている方で、3年間坐禅をしてきて初めての寒行、という方や、7年ぶりの寒行 という方がいらっしゃいました。いきなり寒行なんて無謀?!と、ちょっと心配になってきました。
寒行に対する意気込みなどを語りつつ、梅干を浮かべたお湯をいただきました。半分に切った梅干の中にはハチミツが詰められていて、甘酸っぱくておいしかったです。
慣れた感じの方が初心者二人を気遣ってくれ、靴下に貼るカイロをくれました。仏教徒って人に優しい!!と思いました。
ハイネックのセーターを着てマフラーをし、防寒対策バッチリで行ったのですが、作務着(さむぎ)を渡されて着替えることになりました。。。
かぶっているのは網代笠(あじろがさ)です。
托鉢ファッション→
足元は、足袋にわらじ。
軟弱な私たちは靴下(カイロ貼付)の上から足袋を履きましたが、本格的な人は素足にわらじです。
般若心経を唱えながら、西寺町から船宮町までの道のりを約1時間かけて往復しました。この日は2月にしては寒くなく、そんなにつらくはなかったです。後で聞いたところによると、雪が積もる中を托鉢した年もあったそうです。
般若心経の最初と最後しか知らないので、途中は手を合わせて歩くのみでした。言える部分は集中しているのですが、言えない部分では、「トイレに行きたくなったら困るなぁ・・・」とか「あ、この店 行ったことある!」とか煩悩だらけでした。
宮島醤油 本社の前を通りました。
こうしてみると、いつも見ている白壁がなんだか違って見えます。
ちょっと違う気もしましたが、会社の発展を祈って般若心経を唱えました。
お寺に戻ると、お粥ときしめんみたいなものが用意されていました。五観の偈(ごかんのげ)を唱えていただきました。

※五観の偈
食事を受けるとき、反省と感謝等、五つの教えを観念する経句。単に食事上のこととせず、生活の全般についてこの教えをあてはめて自己をふり返るように教えられました。
食事の最後は、残しておいた漬物で皿をきれいにします。話には聞いたことがありましたが、初めての経験でした。
食事の後、お抹茶とお菓子をいただきました。唐津焼の茶器について話に花が咲きました。床の間のお花は住職がいけたそうですし、お茶もお花もできる住職って粋な方だな。。。と思いました。
チャレンジャーSは大学時代、仏教についてすこーし勉強していました。しかし実際には、仏壇に向かって熱心に拝むことはありませんでした。今回、『寒行(托鉢)』に参加し住職や他の参加者と接してみて、仏教は日本人の生活に深く関係しているものなんだな と改めて感じました。食事をいただく前に「いただきます」と言って、食べ物やそれを作った人に感謝する とか、先祖を大切にする とか、当たり前のことではあるけれどもなかなかできないことがたくさんあります。「托鉢」という仏教の修行の一種を経験してみて、当たり前のことは当たり前にできるような人間になりたいと思いました。